MINI 「ミニ・コンバーチブル」


 ビー・エム・ダブリュー(BMWグループジャパン、ローランド・クルーガー社長)が15日発売した新型「ミニ・コンバーチブル」は、5年7カ月ぶりにフルモデルチェンジしたMINI(ミニ)ブランドの4人乗り2ドアオープンカー。「オールウェイズ・オープンがコンセプト。全シーズン、オープン走行が楽しめる非常にユニークな車」(クルーガー社長)として、オープン走行時の快適性や安全性能の向上を訴求する宣伝活動を展開し、幅広い客層の獲得を目指している。
 新型ミニ・コンバーチブルの日本導入モデルは、ベーシックタイプ「クーパー」とスポーツタイプ「クーパーS」の2種類で、トランスミッションはそれぞれに6速AT車と6速MT車を用意。エンジンは直列4気筒1・6リットルエンジンを搭載し、クーパーSには直噴のツインスクロール・ターボを採用した。
 エンジンが米クライスラーと共同開発の鉄製から仏PSAプジョー・シトロエンと共同開発のアルミニウム製に切り替わったことに加え、シャシー部品やリア・アクスルのコントロール・アームなどに超軽量アルミニウム部品を多用して車両重量を旧モデル比10キログラム軽量化し、燃費は最大で同比40%改善。10・15モード燃費はクーパーMT車でガソリン1リットル当たり18・6キロメートルを達成するなど、燃費向上も訴求ポイントとした。
 販売ターゲットは旧型と同様、20~60代と幅広い。旧型では「ミニ」ファンだけでなく若者や定年後の夫婦など、さまざまな客層がオープンカーの中での使い勝手やデザインを評価して購入。また一度はオープンカーに乗りたいと思い、4、5年間乗ってみようと考えて購入する客層も多く「他ブランドのオープンカーに比べてお客さまが各年代層にまんべんなく存在する」(同社の浅野弘MINIディビジョンマーケティング・マネジャー)という。
 このため購入層を絞り込めないが、販売ターゲットの中心は旧型で最も多かった購入層である40代に据えて、販売促進活動を展開し始めた。
 新型の最大の特徴は、オープンカーとしての快適性と安全性を高めた点にある。ロールオーバーバーは、転倒の危険性があるときに0・15秒で上昇するポップアップ式を採用し、ドライバーの後方視界を拡大。また電動ソフトトップの開閉時間は15秒で、走行中でも時速30キロメートル以下なら開閉は可能となった。渋滞時の開閉ができるだけでなく、旧型と同様にスライディングルーフ機能も備えている。
 このほかルーフの開閉によって自動的にモードが切り替わるエアコンを標準装備。オープン走行時には足元を中心に送風する仕組みだ。さらにオープン状態で走行した時間を記録するオールウェイズ・オープン・タイマー(税込み3万2千円)をオプションに用意するなど遊び心を高める工夫を凝らした。
 オープンカーに求められる快適・安全性や機能の向上に加え、燃費の良さと遊び心などの付加価値の訴求で、需要獲得を目指している。

2009年4月24日 4:53 PM autofile
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